2007年 01月 09日 ( 1 )

2007/1/7  都市伝説なアイツ

ぽろりがじゃじゃ丸やピッコロと楽しく遊んでいた時代の
ずっと後のお話です。

ぽろりはカジリアッチ王国の跡継ぎとして奮闘していました。
カジリアッチ大王は体が弱かったので
早くぽろり・カジリアッチ3世(プロフィールの写真参照のこと)に世を継ぐべく
体制を整えていました。
ぽろりも将来を嘱望されていました。

さて、青年ぽろりの傍にはぽすりという仲の良い雌ネズミがいました。
ぽすりはカジリアッチ王国の隣にあるチーズチーズ王国の王女様だったと言うことです。
2匹はいつも一緒で大の仲良しでした。
ぽろりぽすりは仲良しだね、といつもお互いに話していたそうです。

ネズミ国家であるこの二つの国は近くにある強大なネコの国と対立していました。
二つのネズミ国家は小さい国だったので同盟を結び
なんとかネコの国に負けないようにしていたのです。

戦乱の世とは言えぽろりぽすりは幸せでした。
ぽすりはとても優しいネズミでぽろりが疲れている時や悩んでいた時は、
お花畑に連れ出し傍でこう言っていたということです。
「大丈夫ですよ。ぽろりくんはきっと大丈夫ですよ。」

ぽろりはどれだけこの言葉に励まされたことでしょう。
どんなことがあってもぽすりのその言葉でたちまち元気になれました。
争いごとがない世の中になるように毎日祈っていました。

ある時、争いごとの絶えないこの世に少し悩んでいたぽろりの前に
思いがけない人物(?)が現れたのです。

「あれ?ぽろりじゃないか?」
その懐かしい声にぽろりは驚きました。
そうです、幼少時代に共に過ごしたじゃじゃ丸だったのです。

「じゃじゃ丸!なつかしいな!」
「久しぶりに旧友に会いたくなってね。」
もう二度と会えないと思っていたぽろりとじゃじゃ丸は時を忘れて話し込みました。
じゃじゃ丸の家は大商家でカジリアッチ王国にチーズを売りに来ていたとのことです。
「ピッコロはペンペンと一緒に第三東京市にいるんだってさ」
懐かしい友人の話に花が咲き気がつけば、周囲はもう夜でした。
「そろそろ帰らないと。」
ぽろりが言うと、じゃじゃ丸はこう言いました。

「折角だから今度ネコの国にも遊びに来なよ」
「しかし、君の国とは今は簡単に行き来できないはずではなかったのか?」
「なーに、僕の方から国王に許可をいただくから大丈夫さ。」

ぽろりはじゃじゃ丸に誘われるがままネコの国に遊びに行くことが多くなりました。
ネコの国は大きな国です。
文明も栄え物も多く豊かでした。
遊びに関しても小さな田舎国家のカジリアッチ王国にはないものばかりで、
ぽろりは少しずつネコの国に染まり始めたのです。

このことはあっという間にカジリアッチ王国の国民の耳に広まりました。
そしてカジリアッチ大王はしかりつけました。
「お前はこの国の跡取りとなる者ぞ!
 ネズミの天敵であるネコとつるみ、敵国に遊びに行くとは何事か!」

それでもぽろりはじゃじゃ丸と遊んでいました。
何か悪いことをしているわけではないし、
ネコの国と仲良くすることで将来はネコとネズミが仲良くなれると信じていたのです。
しかし、残念ながらネズミ達はそうは受け取ってくれませんでした。
「ぽろり王子はこの国をネコの国に売るつもりだ」
カジリアッチ王国に不穏な空気が流れました。

そして誰よりも悲しんだのは他でもないぽすりでした。
「ぽろりはなぜネコ文化に染まってしまったのかしら。
 このままではカジリアッチ王国が崩壊しかねないわ。」
カジリアッチ王国が崩壊してしまえばチーズチーズ王国も無事に済むわけはありません。
ぽすりにはすでに決断の時までに残された時間はありませんでした。

ある日、ネコの国から帰ってきたぽろりはぽすりを訪ねました。
ちょうど暑い夏の日でした。
「おーい、ぽすり。海に行こうよ。」
ぽすりの家からは返事はありませんでした。
かわりに家の中から出てきた老ネズミが一通の手紙をぽろりに渡しました。
老ネズミが言うには帰ってから封を開けるようにぽすりから伝えられたということです。

「ぽすり、一体なんだろう」

封を開けてぽろりは愕然としました。
それは優しくも強く今のぽろりを諌める内容でした。
そして末尾にはこう書いてありました。

「私は仮に二人で逃げて追われて国境を超える時に、
 打たれていても疲れていても怪我をしていても、
 手を離さずに私を引っ張って国境を越えてくれる人としか一緒にいたくないのです。
 ぽろりくん、今まで本当にありがとう。
 そして、さようなら。」

ぽろりには何のことかさっぱりわかりませんでした。
しかし、泣いてもわめいてももうぽすりは戻ってきません。
その現実をぽろりが受け入れられるはずがありません。
ぽろりは必死にぽすりを探しました。
しかし、カジリアッチ王国からもチーズチーズ王国からも消えてしまっていたのです。

ぽすりがいなくなってぽろりは失ったものの大きさを知りました。
いや、正直に言えば一緒にいる時からその大きさはわかっていたのです。
何より今ぽろりが考えなくてはならないことは
カジリアッチ王国を再び一つにまとめる為に何が出来るか、です。

ぽろりは王位継承の権利を捨て王国を離れました。
元凶の自分がいなくなれば国はまとまる、そう考えたのです。
人知れず城を抜け放浪の旅に出たのです。
しばらくしてカジリアッチ王国は再びまとまりました。
そしてカジリアッチ大王の死後、
チーズチーズ王国と合体したそうです。

ぽろりがぽすりやじゃじゃ丸と遊んでいた
ずーっとずーっと後になって、
ぽすりとよく遊んだ花畑に来てこうつぶやいたということです。

「ぽすり、僕は君と一緒で幸せだった。
 最後に君が言っていたことが今ならわかるような気がするよ」

その後のぽろりの行方は知れません。



そんなお話らしいですよ。
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by porori001 | 2007-01-09 00:40