2日目
おっといけねぇ。若干寝坊じゃないか?
オレはこの旅に対して、事前調査を完全に近い形で行っている。
分刻みのスケジュールがすでにプリントアウトされているのだ。
7:35四条烏丸発のバスか、ふむふむ。只今の時刻は、7:10。
げっ、ぎりぎりじゃん!ってことで、せわしなく朝は過ぎるのである。
今日はあいにくの雨模様。だけど、京都に雨は良く似合う。
いや、風情をかもし出すにはむしろ必要なものなのだとも思う。
今日は鞍馬山。鞍馬といえば鞍馬天狗。
天狗、でん!
って、ちょっとでかすぎないか、これ…。
京阪のCM「京阪乗る人、おけいはん」も今は鞍馬バージョンやってる。
しかし仁王門大きいなぁ。圧倒されながらパシャ、もう一枚パシャ
由岐神社。杉の木が3本御神体になっている。オーラあるね。
杉の巨木には雨が良く似合うねー。ここで天狗おみくじなるもの発見。
天狗の人形がおみくじ持ってるやんけ。
この人形は、普通にキーホルダーとして使用可能です。
さて、ここから本道までは「九十九折」という参道。「つづらおり」と読むのかな。
近くて遠い鞍馬の九十九折、って和泉式部も詠んだわけよ。
さて、ここでみんなに大切なお話をしなくてはならない。
オレはこの世の中で様々に苦手なものがあるが、
その最たるものの一つが「木」だったりするのだ。
夜の墓場みたいな震えるような恐怖が俺の中に生じてくる。
山道なんてほんとに怖いわけよ。で、この山深さ。オレ、ちびった、マジで。
さて一歩一歩歩いていくごとにガスが濃くなっていく。もう完全に雲の中だ。足もがくがくに震えてきそうな頃にこの看板。こんなん書かれたら歩いて上に行くしかないじゃん。オレはもともと歩いていく予定だったけど、お年よりは見ちゃいけないよ、この道標。
やっと登ってきたよ、見晴らしはー、ガスで全く何も見えない…。
ふっ、オレなんて所詮そんなもんだ。
でも、オレの期待した霊山の風情は完全に味わえたのでなんの問題もなし。
鞍馬には650万年前に宇宙から魔王がUFOに乗ってやってきたんだってさ。
何か凄い伝説だな。でも、そんな話も信じられるくらい山深いんだよ。
さあ、ここから本日のメインイベント、鞍馬の山越えだ。まだまだ山登りさ。
あいにくの雨模様ということでここから先の山道
(奥の院経由貴船まで)には全く人の気配がしない。
普通の人なら行くわけがない。入ったらグチャグチャになる。
でも、行かなきゃここまで来た意味が無い。突撃ー!
うんとね、本当にね、ものっそい山道なの。
だから、オレ、ものっそい怖いの。
一人ででかい声で歌とか歌ってるの。
はたから見たら、
オレが一番怖く見えていたんだと思うよ。
途中大杉権現の中では家族が必死に
お祈りしている最中でした。
しかし、びびりにびびっていたオレは中に人がいるのを感じた瞬間
「ヒィィィ!」と悲鳴を上げてしまいました。
大変申し訳ございませんでした。この山道は鞍馬側から行くのが正解だと思う。
鞍馬側からだと2割くらいしか上りが無い。
貴船から来ると8割方が上りという勘定になる。そりゃきついよ。
1時間ほど山を歩くと鞍馬寺の西門が現れる。この門を過ぎると貴船に入るわけだ。
さて、ここ貴船は女性に最も人気のある場所のひとつだ。
若い女性とカップルが異常に多い。
というのも、貴船神社は平安時代から縁結びの神様として
あがめられているんだってさ。
しかし、野宮神社といい縁結びって言ったら人が集まるんだね。
そりゃ、サラ金にもそんな名前付けるよ。
と、思いつつ真剣なまなざしでおみくじを引くオレの姿がそこにあった。
たぶん、周りの誰よりも気合入っていたと思うよ。
ここの社務所で占いの紙を買って
隣にある「神水」と立て札のある池に浮かべるんだ。
そうすると、文字が浮き出てくるってしろもの。うむ、そりゃ人気も出るわ。
ちなみにオレは「吉」。微妙だ。
貴船って鞍馬と同じで山深いわけだから、
京都って言うより長野の最深部にいるような感じがしたね。
左:古事の森
右:鮎茶漬け
そうそうここ貴船は他のことでも有名なんだ。
歴史的な木造建築物を補修するにはやはり古い木を使用して
補修することになるのだが、ここ貴船の山で日本で一番最初に
そのための林ができたんだってさ。
山道をまた20分ほど歩かなくてはいけない上に、
道って言うようなものではなく獣道みたいな所を行かなくてはいけないので
今回は行かなかったけどいつか見てみたいね。
(一応関係者以外立ち入り禁止って札は立っているけど余裕でスルーできちゃう)
ここで遅い昼飯。雑誌で見かけた「鳥居茶屋」にて鮎茶漬けを頂く。
結論、オレの口にはあわないな。ここから叡山鉄道貴船口駅まで徒歩20分。
雨も上がったので快適な散歩道が続く。
山の湿った空気で身が洗われる気がするよ。
まだ夕方なので一気に市街を通過して蹴上方面に。
蹴上といえば南禅寺があるが、オレの目標は日向大神宮だ。
おそらく地図では確認できると思うが
ガイドブックなどに記事が載るようなところではない。
行く人いないだろうし。
でも、この寂れた雰囲気はどこよりもすごい。木造の鳥居も時代を感じさせる。
今回の旅で最も気に入った場所のひとつだ。ここの主殿も年季入っているね。
一応、願掛け。
でも、今までどこで願掛けしても叶ったことないし、
どうせそんなもんなんだろうな、とか思いながら石段歩いてたら
つるっと滑ってすっころんで、カメラガチャーン。天罰?んなバカな。
でも、タイミング良過ぎじゃないか?
走って主殿に戻って再参拝したのは言うまでもない。
ふと横を見ると「縁社」の看板が。つまり「縁結び」。だめだ、ここもか…。
と思いつつ、天罰食らった直後ってこともありひょっとしてここなら、
ってことでおもいっきりお願い事を述べ申し上げる。
でも、ここは本当にいいところだよ。
※ここは夕方以降の女性の一人歩きはおススメできない。何かあってもどうしようもない、ちょっと寂しい場所だからだ。女性が行くなら昼間に行きましょう。
さて、お次は隣の南禅寺。三門くらい見とかなくちゃ。
やはり、京の都の最高府、最高権威。スケールが半端無いね。
さすが京五山の上を行く最高格式だね。
三門には残念ながらタッチの差で入れなかったけど、
この三門の存在感は圧倒的だった。
実は今回の旅で東山というのは正式なコースに入れていない。
時間が余って余裕があったら行こうという程度にしか考えていないのだ。
だから、もう結構暗かったけどほかの日に東山に行ける日も無いので、
今日ちょっと散歩してみよう。次は知恩院を目指す。
う~む、かなり距離あるな。無謀だったかな。
少なくとも一日中山道を歩いたオレにはきつい散歩だった。
やっとこさ知恩院についたときには一面真っ暗。
もう日本最大の木造門にも興味なし。
座りたい…。
左:名物の親子丼
右:ひさご外観
おっとぉ、この近くには「ひさご」があったじゃないか!親子丼が有名な店だ。
昼間だと長蛇の列ができているらしいがこの時間には列もなし。
早速親子丼注文。ここの親子丼は山椒がかかっている。
個人的には親子丼に山椒っていうのはいただけないが、
そういうものとして見れば面白いものかもしれないね。
さて、足も休めて腹も満足折角なのでライトアップ中の高台寺を拝観することに。
ここすごいよ。何がすごいって、ここ、かなり、エロいのよ。もうカップルだらけ。
まぁ、ライトアップなんてカップルのためにやっているものなんだろうけど。
男一人のオレとしては、ちょっと寂しかったね、ここだけは。
でも、ほんとにきれいだった。ぜひ、みんなも行ってみて。
ここ高台寺では圓徳院の入場券も買えるのだがちょっとしたからくりが。
高台寺の目の前のお茶屋やお土産物屋さんがある広場があるのだが、
そこが圓徳院拝観の出口なんだ。
だけど監視している人なんていないからここから少し逆走して
無料で圓徳院の庭園のライトアップが見れちゃうんだ。お得だね!
もう遅くなりましたね。きょうはこの後先斗町の入り口近くの大衆居酒屋「ぽんと」でちょっと一杯。ホッピーのありそうな店だったんだけど残念ながら無かったのでビールで酔っ払いです。ウイ~。